【マンガ大賞2025】ノミネート作品ピックアップ!第3弾
書店員を中心とした各界のマンガ好きの選考員が「今もっとも面白いマンガ」を選ぶマンガ大賞。 大賞候補となるノミネート作品には、今年も話題作・人気作が数多く選出されています。
前回の記事で紹介出来なかった2次ノミネート作品から4作品を紹介します。
Highlights
『COSMOS』
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宇宙人だって保険に入る!?『べるぜバブ』で一世を風靡した田村隆平先生の最新作『COSMOS』が面白すぎる!
「宇宙人」×「保険会社」という斬新な設定で話題沸騰中の本作。
主人公は、人の嘘を見抜く能力を持つ高校生・水森楓。ひょんなことから、宇宙人専門の保険会社「COSMOS」の調査員・穂村燐と出会い、彼女の仕事に巻き込まれていきます。舞台は、宇宙人が人間として密かに暮らす地球。穂村の所属するCOSMOSには、宇宙人に関する様々なトラブルが舞い込みます。水森は、嘘を見抜く能力を駆使して、事件の真相を解き明かしていくことに…。
作品の注目ポイントをいくつかピックアップして紹介します。
宇宙人の秘密と人間の業:COSMOSが扱う事件は、どれも一筋縄ではいきません。宇宙人が抱える悩みや秘密、そして人間の欲望や業が複雑に絡み合い、衝撃的な展開が次々と繰り広げられます。特に、水森の周りにも宇宙人が潜んでいるという事実は、大きな衝撃を与えます。
嘘を見抜く能力の代償:水森の能力は、事件解決に役立つ一方で、彼自身を深く傷つけるものでもあります。人の嘘を見抜くことで、人間の醜い部分を目の当たりにし、心を痛める水森。彼がどのように自身の能力と向き合っていくのか、今後の展開に注目です。
穂村燐の過去:謎多き穂村燐の過去も、物語の重要な鍵を握っています。彼女がなぜCOSMOSの調査員になったのか、その理由が明らかになる時、物語はさらに深みを増すでしょう。
人間ドラマが深い: 本作は、宇宙人を題材にしながらも、人間関係や感情、生き方といったテーマを描いています。 宇宙人たちの悩みや葛藤、そして人間との交流を通して、読者は様々なことを考えさせられるでしょう。
ギャグ要素も満載:田村隆平先生といえば、ギャグセンスも抜群です。『COSMOS』でも、クスッと笑えるシーンが随所に散りばめられています。 シリアスな展開とギャグのバランスが絶妙で、飽きさせません。
『COSMOS』は、SF要素と人間ドラマが融合した、読み応えのある作品です。
ぜひ一度、手に取って読んでみてください。きっと、あなたも『COSMOS』の世界に引き込まれるはずです!
『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』
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WEB発の六つ花えいこ先生の大人気小説を白川蟻ん先生作画で待望のコミカライズ。
本作を一言で表すと、「タイムスリップ×学園×ラブコメ」
舞台は、名門魔法学校。主人公のオリアナは、最愛の恋人ヴィンセントとともに幸せな学園生活を送っていました。しかし、17歳の春、二人は原因不明の死を迎えてしまいます。死んだはずのオリアナは、なぜか7歳の姿で記憶を持ったままタイムスリップ!今度こそヴィンセントを救うため、オリアナは再び魔法学校に入学します。
この作品の注目ポイントは、なんと言ってもこのストーリーの切なさです。
死に戻り後のヴィンセントはオリアナのことを全く覚えていません。オリアナが必死にアプローチするも、ヴィンセントは冷たい態度を取り続けます。二人の関係がどのように変化していくのか、切ない展開に胸が締め付けられます。
一方で前世との記憶のギャップで話が噛み合わないこともしばしば。前世の記憶を持つオリアナと、記憶を失ったヴィンセントの、すれ違いや勘違いが笑いを誘います。
そして、ヴィンセントが前世の記憶を失った理由には、何か秘密が隠されているようです。彼がなぜオリアナのことを覚えていないのか、その謎が解き明かされる時、物語は大きく動き出すでしょう。
また、オリアナの奮闘にも注目です。好き、だから死なせない――。愛しのヴィンセントを救うため、オリアナは様々な困難に立ち向かいます。魔法の才能を開花させたり、ヴィンセントとの距離を縮めようとしたり…。 前世で両思いだったにも関わらず、今世ではヴィンセントに全く相手にされない中でも、めげずに奮闘する彼女のひたむきな努力は、読者の心を強く惹きつけ、読みながらも必死に応援したくなります。
ぜひ一度、読んでみてください。きっと、あなたもオリアナとヴィンセントの恋の行方に、ドキドキハラハラすること間違いなしです!
『図書館の大魔術師』
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「本は人を救う力を持つ」そんな言葉が、この漫画を読むと心の底から納得できてしまう。泉光先生が描く『図書館の大魔術師』は、本と図書館を愛する全ての人に贈る、心温まるファンタジー作品です。
舞台は、様々な種族が暮らす世界。主人公のシオは、耳長の少年。差別的な扱いを受ける耳長でありながら、本が大好きで、いつか「本の都」と呼ばれるアフツァックに行くことを夢見ています。そんなある日、シオは憧れのアフツァックから来たという司書(カフナ)の女性・ミリオと出会い、図書館の世界に足を踏み入れていきます。
本作の魅力は、何と言っても泉光先生の描く圧倒的な世界観です。 図書館や本に関する描写が本当に素晴らしく、読んでいるとまるで自分もその世界に入り込んだような感覚になります。また、キャラクターの表情や背景の描写など、細部にまでこだわりを感じることができます。
そして、キャラクターも魅力的!!主人公のシオをはじめ、登場するキャラクターが皆、個性的で魅力的です。特に、シオのひたむきさ、優しさ、そして本に対する愛情は、読者の心を強く惹きつけます。耳長であるシオは、差別的な扱いを受けながら生きています。しかし、彼は決して諦めず、自分の信念を貫き通します。シオの姿は、差別や偏見と戦う全ての人への応援歌となっています。また、ミリオや他の司書たちも、それぞれ個性的な魅力を持っており、物語を彩ります。
本作のストーリーは、読者の心に優しく語りかけます。本を読むことの喜びや、知識の大切さ、そして人との繋がりの温かさなど、様々なテーマが散りばめられています。読み終わった後には、きっと心が温かくなるはずです。本作では、本が単なる知識の媒体ではなく、人の心を救い、世界を変える力を持つものとして描かれています。シオが本を通して成長していく姿は、読者に勇気を与えてくれます。
『図書館の大魔術師』は、読めばきっと本が好きになる、そんな素敵な作品です。
『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』
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「疲れた時はドカ食いにかぎる!」そんな叫びが聞こえてきそうな、飯テロ漫画『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』。主人公 21歳のOL もちづきさんの豪快な食べっぷりに、読んでいるこちらもお腹が空いてくること間違いなし!
もちづきさんはおっとりとした外見とは裏腹に、ストレスが溜まると高カロリーなものをドカ食いしてしまうという一面を持っています。読者の皆様も残業続きで疲れた日には「あるある」とうなずいてしまうのではないでしょうか?そんなもちづきさんの豪快なストレス発散が本作の見どころです!
飯テロ要素満載:もちづきさんが食べる料理は、どれもこれも美味しそう!ラーメン、ハンバーガー、スイーツ…高カロリーなものばかりですが、なぜか食べたくなってしまうのが不思議です。 特に、もちづきさんが幸せそうに食べている姿を見ると、つい自分も同じものを食べたくなってしまいます。
クスッと笑えるギャグ要素:本作は、飯テロ漫画であると同時に、ギャグ漫画でもあります。もちづきさんの独特な食癖や、周りの人たちとのやり取りが、クスッと笑えます。シリアスな展開はほとんどなく、気軽に読めるのも魅力です。
もちづきさんの可愛さ:もちづきさんは、ドカ食いこそするものの、根は優しく、明るい女の子です。 そんな彼女の可愛らしさに、癒されること間違いなし! 食べっぷりだけでなく、もちづきさんの表情や仕草にも注目してみてください。
『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』は、読んだら絶対お腹が空く、飯テロ漫画です。ぜひ一度、読んでみてください。きっと、あなたももちづきさんの食べっぷりに魅了されるはずです。
どの作品が大賞を取ってもおかしくない今年のマンガ大賞
特集記事の第1弾、第2弾も是非ご参照ください!
[1]田村 隆平、『COSMOS』、小学館、
[2]白川蟻ん、六つ花えいこ、秋鹿ユギリ、『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』、KADOKAWA、
[3]泉光、『図書館の大魔術師』、講談社、
[4]まるよのかもめ、『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』、白泉社、