なろう系漫画レビュー空間『虫かぶり姫』

 

概要

  • 原作 由唯 先生
  • 女性向け
  • 『天然かつ陰キャ系貴族のご令嬢が王子様から溺愛される』パターン

王子様から溺愛される系パターンのなろう系。
2015年から2022年にかけて小説家になろうで連載、その後書籍版およびコミック版が出版されました。
2022年10月からアニメ化もされている人気作です。

ちなみに、虫が大好きなのではなく、読書が大好きな女の子の物語です。
今回は、コミック版を読んでの感想になります。

感想

絵がとても綺麗

なろう系漫画といえば、画力についても少し怪しい作品も多くあるが、本作品はその心配がまったくありません。
少し少女漫画寄りのとてもきれいで可愛らしい絵になっており、男性の私でも楽しむことができました。
特に主人公の髪の毛の描き方がとても魅力的です。
主人公の天然な性格にとても良くマッチしていて、魅力を大きく引き立たせています。

漫画は喜久田ゆい先生。
2000年にデビューされている経験豊かな方なので、クオリティが高いのも納得です。

女性向けなろう系の成分を効率的に摂取できる

「王子様との関係に乱暴に割って入ってくるライバルが堕ちていく」、「『私なんかやっちゃいました?』」、「程よい逆ハーレム」
あたりがしっかり入っていて、なろう系作品としてしっかり楽しむことができます。

逆ハーレムについては、全員と恋仲になるのではなく、本命の王子様以外とは程よい距離感を維持しつつしかし普通の女性以上に特別してもらっているというポジション。
男性向けは節操ないハーレムが構築されるわけですが、女性向けではこのような部分も上手に処理されるんですね。
男性として大変勉強になります。

男性から見ても嫌な男性キャラがいなかった

大体、女性向け漫画を男性が読むと、「この男キャラ無理!」というキャラが出てきてしまうもの。
逆もしかりだと思う。女性が男性向け異世界なろう系読んだら、無理な女性キャラいますよね?
しかし、私はこの作品を読んでいて、嫌いな男性キャラが出てきませんでした。
普通に楽しんで読みすすめることができました。

総評:オーソドックスにレベルが高い。

アニメ化までされている作品なだけあり、十分クオリティが高いなろうのコミカライズ作品でした。
女性向けなので、男性が無理に読まなくても良いかな、という感は受けますが、男性が読んでも楽しめます。
特に、絵は大変きれい。
なろう系らしからぬ繊細なタッチは「なろう系作品も進化している、して行くんだな」という確かな確信を感じさせます。

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大山 悠二

31歳、独身。中学生の頃から主に現実逃避のために漫画を読んできた。詳しいジャンルは00年代の萌え系、異世界系など。

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