【ジブリ映画の深層へ】『風の谷のナウシカ』漫画のススメ

1984 年の映画公開以降、世界中で愛されている『風の谷のナウシカ』。根強い人気を誇る原作漫画を読むべき理由をご紹介!

#1 映画の謎が明らかに

映画も傑作ですが、話が短く纏められていて、物語の深層には届いていません。原作の漫画では、鍵となる「火の七日間戦争」「腐海」「王蟲」「巨神兵」の発生理由や存在意義まで明らかになります。

映画でも登場したシーン。漫画ではさらに深層へ。[引用画像1]

#2 主要人物の見方が変わる

映画では、巨神兵の力を使い腐海を焼き払おうとするクシャナと、腐海や王蟲との共存を考えるナウシカの対立関係で、クシャナの印象があまり良くありません。一方、漫画を読むと、印象がガラッと変わります。彼女の生い立ちや人間性などが明らかになり、部下の信頼も厚く、俯瞰して冷静に物事を見ることができるその姿はまさに理想の先導者!

負傷した部下を抱える勇ましいクシャナ殿下 [引用画像2]
戦友となったナウシカの帰還に笑顔のクシャナ殿下 [引用画像3]

#3「風の谷」の先に広がる世界

漫画では、映画に登場しない土鬼(ドルク)という強大国が物語に深く関わってきます。トルメキアと土鬼の2大列強国の争いに、トルメキアと盟約を結ぶ辺境自治国の「風の谷」も巻き込まれていきます。

全体がわかる腐海周辺全図は漫画に付属![引用画像4]

#4 クセあり・魅力ありの登場人物

映画には登場しない多くの人物が登場。個性があり、それぞれが役割を持っています。土鬼の僧官や念話が使える修行僧、蟲を使役する部族、その蟲使いから敬われる森の人などが物語の重要人物として登場します。

言葉を使わず頭に直接話しかけることが出来る少年「チクク」も重要人物 [引用画像5]

#5 普遍的なテーマ

環境問題に留まらずに人間のエゴや存在、宗教や科学技術について深く描かれている作品です。普遍的なテーマを扱った名作として、10年後、20年後、きっと100年後も世界中で読まれ続けると思います。

最後に、ナウシカの名言を1つご紹介:

「いま立ち止まったら悲しみにおぼれてしまう 進まなきゃ」[引用画像6]

以上、「風の谷のナウシカ」の漫画紹介でした。
ネタバレを避けて詳細をお伝えできませんでしたが、少しでも気になった方は、ぜひ読んでみてください!

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画像引用元一覧:
[1] 宮崎駿、風の谷のナウシカ(1)(アニメージュ・コミックス・ワイド判)、徳間書店、1983、p.82
[2] 宮崎駿、風の谷のナウシカ(4)(アニメージュ・コミックス・ワイド判)、徳間書店、1983、p.75
[3] 宮崎駿、風の谷のナウシカ(7)(アニメージュ・コミックス・ワイド判)、徳間書店、1983、p.219
[4] 宮崎駿、風の谷のナウシカ(1)(アニメージュ・コミックス・ワイド判)、徳間書店、1983、付属頁
[5] 宮崎駿、風の谷のナウシカ(4)(アニメージュ・コミックス・ワイド判)、徳間書店、1983、p.129
[6] 宮崎駿、風の谷のナウシカ(4)(アニメージュ・コミックス・ワイド判)、徳間書店、1983、p.16

Nico, 編集長

マンガ好きの両親から生まれたマンガ狂い。欧州最大級のカルチャーイベントで運営・通訳を経て、『ComicAddict』の編集長に就任。

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