情熱と音楽が爆発する!『BLUE GIANT』があなたを虜にする理由!
ジャズをテーマとし、2023年にアニメ映画化もされた『BLUE GIANT』についてご紹介します。
Highlights
「世界一のジャズプレーヤーになる」
主人公・宮本大が揺るぎない夢に向かって突き進む姿を描く『BLUE GIANT』の舞台は、宮城県仙台市から始まります。
真面目でド直球な性格の大は初めてライブハウスでのジャズ演奏に魅了され、サックスプレーヤーになることを決意。夏の炎天下も雨の日もとにかく愚直にサックスと向き合います。
ジャズなんて普段聞かないし、なんて思いながらこの作品を読み始めてみると、大の真剣さと前に突き進んでいく熱量に、気づいたら先を読み進めたくなる!そんな面白みがある『BLUE GIANT』の魅力をさらに深掘りします。
なぜこんなにも『BLUE GIANT』を面白いと感じるのか。3つのポイントを絞って紹介します。
1.圧倒的な画力
石塚真一先生の描く、躍動感あふれるキャラクター、そして、特にライブシーンでは、演奏の表現が秀逸で、まるで音が聞こえてくるかのような錯覚を起こすほどです。読んでいると、つい体が動いてしまうほどその世界観に引き込まれます。特に、大がサックスを吹く姿は、読者の心を鷲掴みにします。
2. ジャズの魅力に気づかせてくれる
感情の全部をサックスの表現に乗せて吹く大の演奏。その自由度や表現の幅、型に囚われないスタイルにジャズの懐の深さと世界中で愛される魅力をこの作品から感じることができます。ジャズの歴史、楽器の構造、演奏方法など、音楽に関する知識も本格的で音楽好きはもちろん、今までジャズに触れて来なかったという方も楽しめます。
個性的なバンドメンバーのキャラクターにも注目です。演奏時のそれぞれの個性や切磋琢磨する姿、互いの演奏が相乗効果を起こし観客の心を鷲掴みにしていくようなシーンも注目ポイントです。
3. 主人公 大の人間的な魅力
多くのミュージシャンが登場する『BLUE GIANT』の中でも、主人公の大の物怖じしない堂々とした立ち振る舞い、そして高みを目指す姿に「まだまだ自分も頑張らないと」そんな風に思わせてくれます。その裏には意外と大が普通の人で、等身大の人間味の表現がうまく描かれており、より作品をリアルに感じさせてくれます。
一方でジャズに対する人一倍の熱意、努力、真剣さも作中で丁寧に描かれ、その振り幅の対比が大に人間的な魅力を感じさせ、この作品に厚みを持たせています。
映画化もされた話題作!
映画やサントラも熱い!五感で楽しむ『BLUE GIANT』
2023年には、アニメーション映画『BLUE GIANT』が公開され、大きな話題を呼びました。映画では、漫画の感動をさらに増幅させる、素晴らしい音楽と映像が楽しめます。映画内の音楽のディレクションは世界的ジャズピアニストの上原ひろみさんが担。「そもそもジャズとは?」「ジャズプレーヤーはどんなことを考えているんだろう」など石塚真一先生の作品にも影響を与える上原さんは、映画作中でも大のバンドメンバー雪祈の演奏するピアノも担当しています。映画のサウンドトラック「BLUE GIANT (オリジナル・サウンドトラック)(SHM-CD)」もぜひ漫画を読みながら聞いてもらいたい名盤となっています。
作中で登場するジャズクラブSO BLUEのモデルとなっている「Blue Note Tokyo」は東京都港区の表参道駅から徒歩で行くことができます。日本一有名なジャズ・クラブとして東京のそして日本の音楽シーンを彩り、日々世界中のトッププレイヤーの熱い演奏に触れることができる大人の空間になっています。
作品が進む中で仙台から東京、そして国外へと夢に向かって1歩ずつ進む大の姿は、あなたの心を熱くさせること間違いありません。ぜひ読んで感想をお聞かせください。
[1]石塚真一、『BLUE GIANT』、小学館、〈ビッグコミックススペシャル〉
[2]上原ひろみ、Universal Music