映画化直前!繊細すぎる“心の秘密”を描く『か「」く「」し「」ご「」と「』とは?
「人は誰でも、隠していることがある」“あなたには誰にも言えない秘密がありますか?”
『君の膵臓をたべたい』の住野よる先生を原作とし、奥平大兼さん、出口夏希さんが主演する映画『か「」く「」し「」ご「」と「』が2025年5月30日に公開が迫る今、是非とも、二駅ずい先生に寄って描かれた漫画版『か「」く「」し「」ご「」と「』を読んでもらいたい。
特徴的なタイトル『か「」く「」し「」ご「」と「』。ひらがなの中に空白を挟むこの不思議なタイトルは、読めば読むほど、深い意味を持っていると気づかされるのです。

作品紹介|『か「」く「」し「」ご「」と「』とは?

住野よる先生の小説を原作とし、二駅ずい先生が作画した本作は、青春・恋愛を複数の感情が交錯する“心理系ヒューマンドラマ”。登場人物たちは皆、何かを「隠して」生きている。その“何か”は、些細で、けれど重い。
主人公の京は、他人の感情が記号で見える。見えるが相手の反応に過敏になり、故に余計なことを言わないようになってしまう。ある日突然“彼女の秘密”を知ってしまう。けれど、それを知ったことすら「知られたくない」と思ってしまう自分がいる……。

繊細な心理描写の魅力|「秘密」が心に落とす影
本作の最大の魅力は、「心の中にあることを、言葉にする難しさ」を丁寧に描いている点です。キャラクターたちは自分の気持ちにすら戸惑い、時に傷つき、時に誰かを遠ざけます。台詞にならない“間”や、何気ない仕草ににじむ感情に、読者はハッとさせられるのです。また、現代のコミニュケーションの難しさ、複雑さを代弁するかのようなこの作品。言葉の行き違いで、関係性が大きく揺らぐ、青春の1ページを緻密に繊細に描き切ります。

読後に残る「問い」|秘密は、打ち明けるべきものなのか?

本作を読み終えたとき、あなたはきっと考えます。「もし、自分が“あの立場”だったら、どうするだろうか」と。人との距離感。言葉の重み。黙っていることの優しさ。『か「」く「」し「」ご「」と「』は、誰かに言えない気持ちを抱えたすべての人に、そっと寄り添う物語です。

映画との相乗効果|原作と映画、両方味わうからこそ沁みる
原作や漫画で描かれる繊細な心理描写が、映画でどう映像化されるのか──。そこに興味を持った人にこそ、原作小説や漫画版を読む価値があります。映画を観る前に原作を読めば、登場人物たちの表情や沈黙の意味がより深く理解できるはずです。
まとめ|“静かな衝撃”を、あなたにも
物語の中で起きる出来事は、決して派手ではありません。でも、それが心に残る理由は、「誰にでも心当たりがある感情」を描いているから。静かに、でも確かに心を揺さぶる。そんな作品に出会いたい人へ、今、最もおすすめしたい一冊です。
[1-6]原作:住野よる、漫画:二駅ずい、『か「」く「」し「」ご「」と「』、新潮社、月刊コミックバンチ、クラゲバンチ