『グラゼニ』(30過ぎオタクのおすすめマンガ紹介)

野球選手という夢の職業の現実を突きつけつつ、その上で夢があることを教えてくれる、モーニングらしい漫画です。



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今までのどの野球漫画よりも、生々しい選手の実態

[1]

主人公はプロの野球選手ですが、消してトップ選手ではなく、打たれたり打たれなかったりする中継ぎ投手。
年収も1800万円という、プロスポーツ選手としてはあまり夢が無い金額。

そんな選手がいつもどのように調整をして、登板を告げられ、そしてどのように感じているのかが描かれています。
テレビを見ているだけではイメージすることもできなかった、スポーツ選手のリアルな姿を伝えてくれるものって、今まで無かったですよね。

サラリーマンよりもずっと厳しく世知辛い実力主義の実情

[2]

華々しいイメージがある野球選手ですが、とても厳しい世界。
もちろん、実力主義の厳しい世界であることは話としては聞いていましたが、実際に漫画で見える化されると、本当に大変なんだな、と実感?します。

解説者、監督、コーチ、新聞記者、関係者の実態も

[3]


選手のお話だけではなく、そのまわりの人々の人生も描かれています。
野球選手にそもそもなれなかった人が関わっていたり、元選手の人がコーチや監督に就任したり・・・
野球界を作る社会を覗くことができます。

人の好き嫌いで決まる人事や、オーナーの意向で変わる選手の補充計画や給与。
少ない枠を守ろうとする解説者。
選手以外にも、ドラマが待っています。

野球の見方が変わるかも

一番生々しい野球漫画だと思いますが、野球選手が身近に感じられるようになります。
この漫画のおかげで、野球が久しぶりに見たくなりました。
スター選手以外にも、それぞれの人生にドラマがあることを今なら意識できる気がします。

ストーリーが面白い

リアルな世界描写について言及してきましたが、なんといってもストーリーが面白い!
突き抜けきらない主人公ですが、ちょうど良い塩梅で活躍してくれたり、問題が発生したり・・・。
人気マンガになるのも納得の、読んで損のない内容になっています。


[1]森高夕次, アダチケイジ, グラゼニ 1巻, 2011, p10
[2]森高夕次, アダチケイジ, グラゼニ 1巻, 2011, p38
[3]森高夕次, アダチケイジ, グラゼニ 1巻, 2011, p62

大山 悠二

31歳、独身。中学生の頃から主に現実逃避のために漫画を読んできた。詳しいジャンルは00年代の萌え系、異世界系など。

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