チグハグなダーク青春『この復讐にギャルはいらない』

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『この復讐にギャルはいらない』――この作品はギャルと復讐が交差する、予測不能のダーク青春ストーリーです。

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「ギャル」「復讐」と聞いて、あなたはどんな物語を想像しますか?

温もりを知らずに生きてきた孤独な殺し屋・橿原ノゾミ(主人公・カッシー)。裏社会から足を洗い地味な高校生として日々を送っていたカッシーだが、クラスのギャル・新宮さんを不良から助けたことがきっかけで、なぜかぐいぐい距離を詰められることに。

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自己肯定感がめちゃくちゃ低いカッシーは、慣れない陽キャ新宮さんとの交流に、彼女が自分を狙う刺客なのではないかと疑い始めるが。

陽キャギャルと陰キャ殺し屋の疑心暗鬼ラブコメというなんともチグハグな具合がたまりません。

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陽キャならではの距離感の近さにドギマギする陰キャの殺し屋カッシーの初心な感じが、そんな強いのになんで!?っていうギャップがクセになります。

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魅力1:ネタ要素の多さ

ギャグのネタ要素が多いのもこの作品の魅力です。

タケモトピアノ、デスノート、名探偵コナン、M-1などなど、読みながらクスッと笑ってしまうようなシュールなネタが散りばめられ、エンタメ性の高さという他のラブコメには無い要素も詰まっています。

魅力2:個性的なキャラクター

主人公のカッシーは初心で暗めの性格ですが、殺し屋をしていた関係で身体能力はとても高く、常識はずれの運動能力を誇り強さがぶっ飛んでいます。陰キャなのに強いというギャップに加え、学校でのあだ名は「親指つぶし」というなんだか物騒な具合がなんとも目を離せません。

ヒロインの新宮レオナ(レオポン)はカッシーの固く閉ざしした心の隙に入り込んでいきます。カッシーの裏の顔をものともせずにグイグイくる感じが何気ない高校生活を魅力的に見せます。普段は主人公橿原を「親指つぶし」と呼びつつ、二人の時にはカッシーと呼ぶ使い分けにも注目で、作品に引き込まれる要素の一つです。

2024年9月に最終4巻が発売され、休日にサクッと読める良作です!是非手に取ってみてはいかがでしょうか?


[1-5]まの瀬、『この復習にギャルはいらない』、白泉社、ヤングアニマルコミックス

まよまよ

新潟出身の漫画中毒めがね。コアでニッチな漫画が割と好き。猫と暮らす。

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