【社畜デザイナー/YouTuber】動画の再生回数は1000万回超!ブラックな広告業界で生き抜く玄田小鉄さん特別インタビュー

動画の総再生回数は1000万回超え!カルト的な人気を誇るYouTubeチャンネル「ブラック企業で生き抜く社畜を見守るチャンネル」を運営する社畜デザイナー・玄田小鉄(げんだ こてつ)さんへのインタビューをお届けします。


Contents

  1. 社畜デザイナー・玄田小鉄さんは何者?
  2. 動画は〇〇〇〇すぎないを大切に
  3. 新規の方必見!おすすめ動画
  4. YouTuberゆえの悩みと喜び
  5. 印象に残っている漫画7選
  6. 今後の活動について

――本日は、お忙しい中お時間を頂きありがとうございます!

玄田小鉄:こちらこそありがとうございます。どうぞよろしくお願いします!


社畜デザイナー・玄田小鉄さんは何者?

――広告会社でデザイナーとして働きながら、YouTubeで動画投稿を始めたきっかけを教えていただけますか?

玄田小鉄:仕事をする中で「これは誰のためにやっているのだろう」と思うことがあり、年々それが増えていったことが背景にあります。仕事は好きなので辞めようとは思わず、仕事をしながら直接的に社会のためになるようなことで、自分のできることをやってみようと始めたのがきっかけです。今まで仕事しかやってこなかった自分の経験やスキルがどこまで世の中に通じるのか検証も兼ねていましたが、想像以上に動画の反響が大きくて、チャンネル登録者が1万人、2万人と早い段階で増えていったことが自信に繋がり、これをもっと大事にして継続的にやっていこうと思いました。

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――視聴回数や登録者の増加は動画投稿の大きな励みになりそうですね。

玄田小鉄:本当にそうですね。求めている人がいることが活動の力になります。

――印象的な肩書きや活動名義はどのように決められたのでしょうか?

玄田小鉄:自分を一言で表すと何かを考え、SNSで反響が大きそうな領域とかけ合わせたら、社畜デザイナーになりました。名前は少し安直ですが、社畜の畜を分解した “玄田” と実家で飼っていた犬の名前 “小鉄” を組み合わせました(笑)。

心地よい声と穏やかな口調で話す玄田小鉄さん

動画は〇〇〇〇すぎないを大切に

――動画制作で心がけていることはありますか?

玄田小鉄:心がけていることは “暗くなりすぎないように” ですね。

――小鉄さんの動画はブラックなテーマでも暗鬱にはならない印象です。

玄田小鉄:漫画などもそうですが、世の中に出ていくコンテンツは、エンターテインメントとして成立していないと人には見られないように思います。内容が辛くなりすぎないように、少しエンタメ性を持たせるようにしています。

――動画もバランスが大事だということでしょうか?

玄田小鉄:そうですね。自分の場合は社畜がテーマの動画でも、言葉のニュアンスを変えたり、くすっと笑える要素を入れています。視聴者も色んなタイプの方がいて、キャッチーなワードや過激なサムネイルをきっかけに見ていただける新規の方は、社畜ならではのハードな内容を求めていると思いますが、継続的に観てくださっている方は、ずっと重苦しい感じが続くと嫌になるんじゃないかなと思います(笑)。


新規の方必見!おすすめの動画

――数ある動画の中でも、特におすすめの動画はありますか?

玄田小鉄:100万回再生された社畜のルーティーン動画もおすすめですが、オフの生活や安らぎがメインの実家への帰省の動画なども箸休めとしてぜひ見ていただきたいです。

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――心がほっとする動画ですね!小鉄さんの動画はリアルをさらけ出していることも人気の理由かと思いますが、その中でも特に思い切った動画は何でしょうか?

玄田小鉄:転職面接の動画ですね。とある会社の面接でのことですが、「今の会社の労働時間が異常に長すぎるため、次は…」と伝えました。すると、かなり渋い顔をされたんです。高齢の面接官が多い会社だったのですが、「土日も作業は出来なくても考えることはできるよね」というようなお話をしていただいて…。時代や業界ごとに違った常識や風習があるかと思います。(中略) 世の中に真実を伝えようと怒られない範囲で動画にしました(笑)。

――それは一種の社会正義ですね!(笑)

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YouTuberゆえの悩みと喜び

――YouTubeで活動されていて、辛いときはありますか?

玄田小鉄:辛いときは動画が自分の思っていたような反響が無かったときですね。視聴者が求めているものではなかったのかなと考えます。予想に反して増減することがあるので、目指すべき動画がわからなくなるときは苦しいです。

――リアルな悩みですね…。それでは反対に、やりがいを感じるのは反響が大きかった時でしょうか

玄田小鉄:反響が大きかった時はやっぱり嬉しいです。それだけ自分のやっていることが世の中に求められているんだとポジティブに受け取っています。

――反響が大きな動画はコメントの数もすごいですよね!コアなファンの方も多いと思いますが、顔や家がバレたり、話しかけられたことはありますか?

玄田小鉄:話しかけられたことはありませんが、雰囲気で分かるみたいで、SNSのコメントで「〇〇で見ました」というのはあります。あと、マンションを少し映していることもあり、前の住人が「ここに住んでいました」というコメントをされていて、他意はないと思いますが怖かったですね(笑)。

――そのあたりはネットリテラシーの問題ですね。みなさん、節度を持って見守りましょう!(笑)

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印象に残っている漫画

――私たちの漫画レビューサイト「ComicAddict」は自分が好きな漫画を記録したり、人に紹介できる機能があるのですが、小鉄さんにとって特別な漫画はありますか?

玄田小鉄:改めて自分が読んでいた漫画を振り返ると、高校生のときに『はじめの一歩』をずっと読んでいたのを思い出します。

――胸が熱くなるスポーツ漫画の金字塔ですね!

玄田小鉄:当時の僕はこの漫画から継続してひたむきに頑張ることの大切さを感じていました。個人的には、アニメよりも漫画の方が躍動感があって面白いイメージがあります。漫画の方が動いて見えるのはなんでなんだろうっていう不思議な感じですね(笑)。

スピード感溢れる描写が魅力 [1]
ギャグも満載の本格ボクシング漫画 [2]
玄田小鉄:『GANTZ』や『DEATH NOTE』もしっかり読んでいた作品です。

――どちらも実写化された大ヒット漫画ですね!デザインの観点で特別な部分はありますか?

玄田小鉄:『GANTZ』は描き込みが凄いと思います。当時、人物は描き、背景などはグラフィックソフトを活用しているのを知り、漫画も色々な方法で効率化しているんだなと感心しました。その手法でクオリティが高いので、作者の方は上手な使い方をしていたんだなと思います。

――先進的な制作方法が作品とも合っている気がしますね!

主人公が異形の敵に立ち向かっていく場面 [3]
大胆な設定と個性的な敵や武器が魅力の作品 [4]
主人公らしからぬ表情にも注目 [5]
スリルとサスペンスが凝縮された大ヒット作品 [6]
――その他によく読まれていた作品はありますか?

玄田小鉄:『HUNTER×HUNTER』も好きな作品です。あとは『世紀末リーダー伝たけし!』もよく読んでいました。

――冨樫先生と島袋先生の人気作品ですね!

玄田小鉄:島袋先生がどうして連載をやめてしまったのか当時は疑問でした(笑)。

説明不要の大ヒット冒険漫画 [7]
笑いと感動が詰まった元祖ギャグ漫画 [8]
――最近注目している作品はありますか?

玄田小鉄:『俺だけレベルアップな件』や『不死と罰』は、続きが気になって夜な夜な読んでいます!

ワクワクする展開に目が話せない韓国発の大人気漫画 [9]
戦慄のゾンビパンデミックをぜひ [10]


今後の活動について

――転職をされて、以前よりも労働環境は良くなった印象ですが、今後の活動や目標について教えていただけますか?

玄田小鉄:より一層、自分にとってもプラスで、周りの人にとっても観てよかったなという動画づくりをしていきたいと思います。それと同時に、この活動をどこまでコンスタントに継続していくかは、バランスを取って考えなければいけないと思っています。

――長期にわたって活動されると、色々と考えられることも多そうですね。

玄田小鉄:この活動はやっていて本当に楽しいのですが、YouTubeで動画を投稿する以外にも、別の何かが世の中や自分のためになるんじゃないかと最近思います。YouTubeで活動を継続するなら今のチャンネルのカスタマイズや別のチャンネルの運営、または、思い切って新規の事業やデザインの仕事をするなど、色々考え始めていますね。

――これまで培われた技術や経験もあり、できることの幅が広がっていると思います。これからの活動も楽しみにしています。本日は長時間ありがとうございました!

玄田小鉄:こちらこそありがとうございました!


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実話に基づく漆黒のブラックエンタメをご賞味あれ [11]

画像引用元:
[1] 森川ジョージ、はじめの一歩 1 (週刊少年マガジンコミックス) Kindle版、講談社、1990、p.26
[2] 森川ジョージ、はじめの一歩 1 (週刊少年マガジンコミックス) Kindle版、講談社、1990、cover
[3] 奥浩哉、GANTZ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版、集英社、2001、p.75
[4] 奥浩哉、GANTZ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版、集英社、2000、cover
[5] 大場つぐみ/小畑健、DEATH NOTE 7 (ジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版、集英社、2005、p.28
[6] 大場つぐみ/小畑健、DEATH NOTE 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版、集英社、2004、cover
[7] 冨樫義博、HUNTER×HUNTER 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版、集英社、1998、cover
[8] 島袋光年、世紀末リーダー伝たけし! 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版、集英社、2004、cover
[9] DUBU (REDICE STUDIO)/Chugong、俺だけレベルアップな件 1 (piccomics) Kindle版、Piccomics、2019、cover
[10] 佐藤健太郎、不死と罰 1 (少年チャンピオン・コミックス) Kindle版、秋田書店、2022、cover
[11] 玄田小鉄、ブラック企業で生き抜く社畜を見守る本 Kindle版、ワニブックス、2023、cover

Nico, 編集長

マンガ好きの両親から生まれたマンガ狂い。欧州最大級のカルチャーイベントで運営・通訳を経て、『ComicAddict』の編集長に就任。

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