『ダイヤモンドの功罪』(30過ぎオタクのおすすめマンガ紹介)
宝島社が毎年発表している「この漫画がすごい2024」の「オトコ編」で1位に輝きました。
生き生きと(悩む)キャラクターがとても魅力的な漫画。
才能がありすぎて本人も周りも苦しむお話
野球の漫画ではありますが、野球よりも人間関係や人生の悩みの方がメインな漫画だと思います。
主人公はどのスポーツをやらせても突出した結果を出せる天才。
しかし、1番になる喜びよりも人の気持ちを優先する優しすぎる性格。
その結果、自分も周りも時々苦しめながら、物語が進んでいきます。
野球漫画でありがちな、主人公が無双する場面がいままでとは違う
主人公は天才なので、他の野球漫画のように、試合で大活躍する様子が描かれています。
ただ、同時に主人公がそこまで勝ちに対して貪欲でもなく、突出し過ぎているが故に抱えたトラブルなどのせいで、今までのスポーツ漫画のように、「主人公が大活躍して大勝利してスッキリ」では終わりません。
大活躍したらしたで、周りの人が困ってしまったり、主人公にも迷いが出たり、活躍するのも楽じゃないようです。
今までのスポーツ漫画では、「活躍してスッキリさせる展開」かその逆か、みたいな展開が多かったと思いますが、新しいパターンですね。
登場人物の感情が複雑で豊か
主人公に限らず、周りのキャラクターたちの感情や考え方が豊かです。
友達の野球が上手なお父さんが、主人公の才能に当てられて、無理やり選考会に出場させる時の顔を描くスポーツ漫画は他に無いでしょう。
いい意味で、多分こんな子はいない
これだけ色々うまくいくならば、ある程度驕りが出たりするものですよね。
それが小学生なら尚更です。
そういう点で、主人公はリアルではないのかなぁと勝手に感じています。
しかしながら、漫画のストーリーやキャラクターの感情表現が豊かなので、「こんな子が世界のどこかにいそうだ」とどこかで感じてのめりこんでしまいます。
実写でやると、多分嘘っぽくなるでしょう。
漫画だから表現できる、とても素敵な作品だと思います。
[1]平井大橋, ダイヤモンドの功罪 1巻, 2023, 表紙
[2]平井大橋, ダイヤモンドの功罪 1巻, 2023, p12
[3]平井大橋, ダイヤモンドの功罪 1巻, 2023, p68